借金返済ができなくなった場合に行う債務整理ですが、借金問題ということもありなかなかその体験談を知っている人から聞く機会があるわけではありません。
そこでこのページでは、債務整理したらどうなるのか、その影響やその対応などについてお伝えします。
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債務整理とは?
債務整理とは、借金返済に困ったときに、交渉や法律で定められた手続きを用いて、借金を免除してもらったり減額してもらうことをいいます。
SNS広告などでよく「借金救済制度」という表現で伝えられるものも実は債務整理です。
債務整理には任意整理・自己破産・個人再生といった個別の方法があり、その人に合った手続きを用いて借金問題を解決に導きます。
債務整理すると避けられない10の影響と緩和する方法
債務整理をすれば借金を免除してもらったり、減額してもらうことができるのですが、その一方でどうしても避けられない影響が発生することがあります。
どのような影響があるかと、これを緩和する方法について確認しましょう。
一定期間ブラックリストに載る
債務整理のどの手続きを行っても共通して問題になるのがブラックリストに載るということです。
債務整理を行うと、どのような手続きであっても、従来の契約の履行ができなくなります。
貸金業者は、債務整理がはじまると、その人が債務整理をしたことを、加盟している信用情報機関に知らせることになっています。
これを受けて信用情報機関では信用情報に債務整理をした旨情報(異動情報・事故情報)を登録します。
その結果、取引をする際に信用情報によって審査を行う取引ができなくなります。
このような状態をブラックリストあるいはブラックリストに載るといいます。
ブラックリストによって行えなくなることには次のようなものがあります。
貸金業者からの借金
ブラックリストによって貸金業者から借金ができなくなります。
貸金業者から借金をするときには、信用情報による審査が行われます。
そのため、ブラックリストとなっていると、借金をすることができません。
もっとも、借金(金銭消費貸借契約)ができなくなるわけではないので、親族や友人・会社から借入をすることは可能です。
また、生活にどうしても必要となる、生活福祉資金貸付制度という公的な貸付制度の利用であればブラックリストに載っていても行えます。
各種ローン(住宅ローン・自動車ローンなど)
住宅ローン・自動車ローンなどの各種ローンを組むことも、ブラックリストによって行えなくなります。
住宅ローン・自動車ローンなども、借金であることには変わりません。
そのため、ブラックリストである間は行うことができません。
なお、賃貸契約や自動車を一括で購入することは可能です。
クレジットカードの作成・更新ができなくなる
クレジットカードの作成・更新ができなくなります。
クレジットカードの作成をする際にも、信用情報による審査が行われるため、クレジットカード作成の申し込みを行っても審査が通りません。
一旦作成したカードを債務整理の対象に含めなかった場合、当面は利用できます。
しかし、クレジットカードは有効期限があり、更新されます。
この更新の際にも信用情報に基づく審査が行われ、その時点で利用できなくなります。
ETCカードの作成・更新
自動車に乗る方が知っておくべきこととして、高速道路などの有料道路を利用する際のETCを利用するためのETCカードの作成・更新ができなくなります。
ETCカードもクレジットカードと同じように、作成・更新に信用情報に基づく審査が行われます。
そのため、ETCカードの作成・更新も審査が通りません。
ETCの利用ができなくなるように思えますが、ETCパーソナルカードなどのデポジット・事前入金のカードであれば利用できます。
携帯電話端末の分割購入
携帯電話端末の分割購入をすることができなくなります。
携帯電話の分割購入をする場合も、信用情報に基づく審査が行われるため、携帯電話の分割購入の審査もブラックリストに載っていると通りません。
賃貸契約や更新ができない場合がある
賃貸契約や更新ができない場合があります。
賃貸契約をする際に、信販会社などが保証会社となっている場合、家賃保証の審査に信用情報に基づく審査が行われます。
そのため、家賃保証の審査に信用情報による審査が行われる場合、ブラックリストに載っていると賃貸ができません。
また賃貸借契約の更新の際に、同じように審査が行われるので、家賃保証をしてもらえなくなる可能性があります。
連帯保証人で審査ができる不動産会社を選んだり、連帯保証人が不要な公営住宅・UR賃貸などの利用で賃貸契約ができます。
子供の奨学金などの連帯保証人になれない
信用情報の審査は自分が借入をする場合のみならず、連帯保証人となる場合でも審査が行われます。
連帯保証人となる機会が多いのが、自分の子供が日本学生支援機構の奨学金の借入をする場合です。
ほかにも、住宅ローンや商工ローン・街金とよばれる中小の貸金業者から借入をする場合などにも連帯保証人が要求されることがありますが、いずれも連帯保証人となれなくなります。
財産を没収されるケースがある
債務整理をするにあたって財産を没収されるケースがあります。
主に次の2つの場合に財産を没収されることになります。
担保に入っている場合
債務の支払いのために所有している財産が担保に入っている場合、その債務について債務整理をすることで、その財産を没収されるケースがあります。
たとえば、クレジットカードで購入した家電やブランド品などは、完済するまでは所有権がクレジットカード会社にあるという状態になっていることがあります(所有権留保)。
クレジットカードについて債務整理をする場合、その会社は所有権に基づいて購入した家電やブランド品などを引き上げて売却して、債務の支払いに充てられることになっています。
このように、債務者の財産が担保となっている場合、その財産が引き上げられることになります。
自己破産をする場合
自己破産をする場合、基本的には保有している財産はお金に替えて債権者に配当されることになります。
もっとも、生活をするために必要な財産については、そのまま債務者が所持しておくことができるとされており(自由財産)、実際に自己破産をする場合に債権者に配当するために提供することになる財産は非常に少ないです。
生命保険等の解約が必要な場合がある
財産の没収されるケースとして、保険等の保険や金融商品を解約する必要があります。
金融商品のうち今すぐ受け取るものではないものでも、解約すれば解約返戻金として金銭を受け取ることができるものがあります。
例えば、掛け捨てではない生命保険や個人年金などがこれにあたります。
これらは資産と認定されるもので、自己破産の場合にはお金に替える対象になる場合があります。
解約をするか、解約した場合に支払われる解約返戻金相当額を破産管財人に支払うことになります。
債務整理で車はどうなるか
債務整理をする場合に車はどうなるか確認しましょう。
分割やクレジットで車を買った場合、その車は上述した所有権留保という契約によって、引き上げられる場合があります。
もっとも、自動車が事故を起こしたことがある・走行距離が相当あるなどで、引き上げて売却しても価格がつかず、債権の回収ができない場合には、財産の引き上げはされません。
また、債務の完済をしている場合で、自己破産をする場合、自動車が一定以上の価値をもっている場合には、差し押さえて債権者に配当されます。
東京地方裁判所では、車の中古車価格が20万円を超える場合に、財産として認定され、引き上げられることになるのを知っておきましょう。
債務整理でマイホームはどうなるか
まず、住宅ローンや不動産担保ローンになっている場合、債権者との債務整理を行う場合には、債権者は住宅につけている担保権の一種である抵当権を実行して、住宅を競売にかけてそこから債権の回収をすることができます。
そのため、債務整理の対象となると、住宅を失います。
自己破産をすると住宅を失いかねないので、任意整理で住宅ローン債権者を外して手続きを行ったり、住宅ローンで住宅を所持している場合には、住宅資金特別条項を利用した個人再生で、住宅を維持します。
保証人に迷惑をかける
保証人に迷惑をかけることがあります。
債務について保証人(連帯保証人)がついている場合、その債務について債務整理をした場合、保証人(連帯保証人)に請求されることになります。
これは任意整理・個人再生・自己破産どの手続きでも同様です。
保証人に対する請求がされる場合には一括で請求されることになり、保証人に迷惑をかけることになります。
典型的な例としては、借入に奨学金がある場合、連帯保証人となっている親に対して請求されてしまい、親子の関係の悪化の原因ともなりかねません。
自己破産や個人再生では、すべての債権者との関係で債務整理する必要があるため、保証人に迷惑をかけることが避けられませんが、任意整理であれば債権者を選ぶことができるので、連帯保証人がついている債務を避けることができます。
家族や会社に借金がバレる可能性がある
家族や会社に借金がバレる可能性があります。
債務整理の手続きを行っている中で、家族や会社に借金がバレてしまうことがあります。
次のような場合に家族や会社にバレることがあります。
- 弁護士が依頼者の自宅に送った郵送物を家族が勝手に開封する
- 債権者に訴訟を起こされ自宅に特別送達郵便が送られて確認される
- 自己破産で共働きの配偶者の給与明細を要求されやむなく話をする
- 裁判によって会社の給与が差し押さえられる
債務整理に慣れている弁護士・司法書士であれば、郵送物のやりとりに気を使ってくれますし、債権者が訴訟を起こさないようにきちんと交渉をしてくれます。
また、滞納をしていない、滞納の日数が少ないうちに債務整理を依頼することで、訴訟を起こされる可能性を低くすることができます。
資格職で一時的に仕事ができない場合がある
自己破産をする際に、一部の資格で仕事をしている人が、その資格を使った仕事ができなくなる場合があります。
社会に悪影響を及ぼさないように、一定の仕事に就く仕事については、資格や登録を必要とするケースがあります。
その中で、他人の財産を取り扱う資格に登録する場合、自己破産の手続き中ではないことを要件とすることを法令で定めている場合があります。
また、現在資格をつかって仕事をしている人は、一旦登録を抹消する必要があります。
典型的な例として、宅建士・警備員・保険募集人が挙げられます。
なお、医師・看護師・薬剤師など、知識がない人が職業に就くと、人の健康に影響を与えるため資格・登録制にしているものについては、このような資格制限はありません。
官報に公告される
債務整理のうち自己破産・個人再生については官報による公告が行われます。
官報とは国が発行している機関紙であり、法律の制定や会社の決算公告のように、法令で公にすることが規定されている際に用いられます。
自己破産・個人再生についても、債権者などの関係者が他にもいないかを探すために、官報による公告が行われます。
公告で表示される事項は、氏名・住所・自己破産・個人再生の手続きを行っていることです。
官報はインターネットに掲載されたり、政府刊行物を取り扱っている書店などで購入することができるため、そこから自己破産・個人再生を行っていることがバレる可能性は0ではありません。
しかし、通常官報を閲覧して情報を収集することは考えられず、従来はここから情報が漏れる心配はほぼありませんでした。
もっとも、2024年7月の段階で公開されている、新・破産者マップのように、官報情報を悪用する者もいるので注意が必要です。
自己破産手続きによる影響
自己破産手続きを利用した場合他にも影響があります。
自己破産手続きでは上述した職業制限・官報による公告のほかにも、次のような制限があります。
- 郵送物の転送:一度破産管財人が中を確認してから本人に送られる
- 住居移転の制限:住居の移転(旅行・出張も含む)が制限される
自己破産以外だと借金の返済が続く
自己破産手続き以外の債務整理については、借金の返済を続けなければなりません。
任意整理の場合には利息・遅延損害金をカットしてもらった額を、個人再生の場合には法律で定められた額を、3年~5年をかけて返済する必要があります。
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債務整理をしても出来る7つのこと
債務整理をしても次のことは行うことができます。
デビットカード・プリペイドカード・コンビニ払いの使用
デビットカード・プリペイドカード・コンビニ払いなどの決算方法の使用ができます。
上述したように、債務整理によってブラックリストに載るので、クレジットカードが使えなくなります。
もっとも、各種サービスの利用や、インターネットショッピングなどでクレジットカードは不可欠であり、非常に困るようにも思われます。
しかし、デビットカードやプリペイドカード、コンビニ払いなどの利用は可能なので、決済が全くできなくなり、生活ができなくなってしまうようなことはありません。
今まで通り仕事する(資格職等を除く)
上述した資格制限が行われる職業以外で、今まで通り仕事することは可能です。
万が一会社から借入しながら自己破産をした場合でも、お金を貸りていたことと、労働契約は基本的には関係ないとされており、解雇されることはありません(万が一解雇されても不当解雇として争うことができます)。
携帯・スマホの利用
携帯・スマホの利用は可能です。
上述したように、ブラックリストとなることから、携帯・スマホの端末を分割で購入することはできません。
もっとも、携帯電話の回線の契約や、新品・中古問わず一括で購入することについては従来通り行えます。
またすでにしている解約は、滞納しない限りは解約されません。
万が一、携帯電話の回線の契約が解除された場合でも、無線LAN・wi-fiなどにつないでインターネットやSNSをすることはできます。
そのため、携帯・スマホの利用は可能です。
生活保護を受ける
生活保護を受けることができます。
生活保護は、生活保護法が定める要件を満たしていれば受給することができます。
なお、生活保護として受け取るお金は生活するための費用であり、返済をすることはできません。
万が一生活保護費で返済を行うと、その分については生活に必要ないと判断され、毎月の受給額から引かれる可能性があります。
債務がある場合、法テラスの民事扶助を受けて弁護士に依頼して、自己破産によって免責してもらうことになります。
パスポートの発行
パスポートの発行を受けることができます。
債務整理のどの手続きを行っても、パスポートの発行を受ける権利を差し止める旨の規定はありません。
選挙の投票・立候補
選挙に投票する・立候補することができます。
選挙に投票する権利や選挙で候補者として立候補する権利のことを俗に公民権と呼びますが、自己破産を含め債務整理を行ったとしても、公民権を制限する規定はありません。
新しく借金する(原則すべきでない)
新しく借金することは、法律上は制限されません。
債務整理をすると借金ができなくなる、ということがよく言われます。
その正確な意味は上述したブラックリストによって信用情報に基づく審査に落ちるため、借入ができないという意味で、借金をする金銭消費貸借契約が全くできなくなることを意味するものではありません。
親族や友人・会社のように、信用情報によって審査を行うものではない場合には借金は可能です。
親族や友人・会社のような頼る存在がいない場合には、上述した生活福祉資金貸付制度の利用を検討しましょう。
なお、債務整理手続き中、とくに自己破産・個人再生をする場合には、新たな借入によって債権者が追加になるなど、手続きに影響します。
そのため、原則は借入はしてはいけない、と考えておきましょう。
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債務整理することによるプラスの影響
債務整理することによるプラスの影響としては次のものが挙げられます。
借金問題から抜け出せる可能性が高まる
借金問題から抜け出せる可能性が高まります。
借金返済が苦しいまま生活をしていると、借金が全く減らないということも珍しくありません。
消費者金融からの借入を返済し、返済したことによって空きができた借入枠を再度借入れるということを繰り返しているような場合、借金は一向に減りません。
債務整理によって負の影響はあっても、借金問題から抜け出せる可能性が高まります。
借金の督促・取り立てがストップする
借金の督促・取り立てがストップします。
貸金業法21条1項9号は、弁護士・司法書士に債務整理を依頼した後に、本人に取立をすることを原則禁じています。
債務者等が、貸付けの契約に基づく債権に係る債務の処理を弁護士、弁護士法人若しくは弁護士・外国法事務弁護士共同法人若しくは司法書士若しくは司法書士法人(以下この号において「弁護士等」という。)に委託し、又はその処理のため必要な裁判所における民事事件に関する手続をとり、弁護士等又は裁判所から書面によりその旨の通知があつた場合において、正当な理由がないのに、債務者等に対し、電話をかけ、電報を送達し、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は訪問する方法により、当該債務を弁済することを要求し、これに対し債務者等から直接要求しないよう求められたにもかかわらず、更にこれらの方法で当該債務を弁済することを要求すること。
引用:貸金業法21条1項9号|e-Gov法令検索
完済後から5〜7年で住宅ローン等も組める
完済後から5~7年でブラックリストが終わって住宅ローン等も組めるようになります。
上述したように、債務整理のデメリットとして、ブラックリストが挙げられます。
これによって借入ができず、住宅ローンが利用できない、クレジットカードが作れないなどのデメリットがあります。
もっともこれは永遠ではなく、一定期間経過すると、ブラックリストは解除されるので、住宅ローン等も組めるようになります。
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債務整理を悩まれる方に多い質問
債務整理を悩まれる方に多い質問には次のものがあります。
債務整理の費用が払えない人はどうする?
例えば自己破産をする場合、次のような費用がかかる可能性があります。
内容 | 相場 |
---|---|
弁護士費用 | 約40万円~ |
手続費用 | 約25万円~ |
借金返済に困っている局面で、これらの返済を一括ですぐにできる人はほとんど居ません。
このような場合でも、弁護士費用は依頼語に分割して支払うことが可能な場合が多いです。
また、手続き費用は弁護士・司法書士に依頼するとすぐに支払い始めるわけではなく、申し立てをする時点までに用意します。
弁護士・司法書士に債務整理を依頼すれば返済をストップするので、その分を弁護士・司法書士費用の支払いや、手続き費用の準備に振り向けることができます。
そのため手元にすぐにお金が用意できる状況になくても、債務整理の依頼は可能です。
債務整理がバレて強制解雇はある?
債務整理をしていることが会社にバレて、強制解雇となってしまうことはあるのでしょうか。
たとえば会社にしている借入について自己破産手続きをすることになった、債務整理をしているけども交渉がうまくいかず貸金業者から訴訟を起こされる、などで会社にバレることがあるのは上述した通りです。
解雇には、会社の秩序を乱した場合に行われる懲戒解雇・会社の人員整理のために行われる整理解雇・その他の解雇である普通解雇という種類があります。
どの解雇についても法律上の要件を満たす必要がありますが、債務整理をしていることでその要件を満たすことは通常無く、強制的に解雇することはできません。
おすすめの弁護士事務所は?
当サイトでは次の弁護士事務所をお勧めしています。
弁護士と司法書士どちらがいい?
債務整理の相談先を探していると、弁護士・司法書士という2つの資格の人が募集をしているのがわかります。
弁護士と司法書士のどちらが良いのでしょうか。
弁護士・司法書士が有料で債務整理ができる法的仕組み
弁護士・司法書士が有利で債務整理ができるのは、弁護士法・司法書士法が関係します。
弁護士法72条は、法律事務について弁護士のみが取り扱える旨が規定されています。
(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
第七十二条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
引用:弁護士法|e-Gov法令検索
債務整理の各手続きの任意整理・個人再生・自己破産の手続きは、弁護士法72条に規定するものなので、基本的には弁護士しか行うことができません。
もっとも、弁護士法72条の例外として、司法書士には次の権限が認められています。
- 裁判所に提出する書面の提出(司法書士法3条4号)
- 訴額が140万円以下の案件の代理をすること(司法書士法3条7号)
この権限から、司法書士は債務整理のうち次の事が行えます。
- 債務の額が140万円までの任意整理
- 自己破産・個人再生の申立書の作成代行
もっとも、140万円を超える任意整理や、自己破産・個人再生で申立書作成以上の行為(裁判所や破産管財人・個人再生委員との面談に同席するなど)ができず、権限に制限があります。
この権限に制限がある結果、自己破産や個人再生の手続きにおいて、弁護士から代理人として自己破産手続きを行う場合にしか簡易な手続きが認められず、損をすることがあります。
例えば、東京地方裁判所に自己破産の申し立てをする場合、弁護士に依頼して行う場合には同時廃止が認められますが、司法書士に依頼して本人が申し立てたものとして扱われた場合特定管財となってしまいます。
その結果、破産管財人への報酬として50万円が加わることになってしまいます。
このようなこともあり、司法書士の多くは任意整理を得意としていることが多いです。
そのため、自己破産・個人再生を視野にいれるような手続きをする場合には弁護士に相談し、任意整理を行うケースでは弁護士・司法書士の両方に相談してみるのが良いでしょう。
まとめ
本記事では、債務整理をしたらどうなるのか、生活への影響や、債務整理中でもできることなどについてお伝えしました。
債務整理をすると、借金問題の解決に大きく歩を進めることになりますが、ブラックリストや自己破産手続きにおける制限など、様々な影響が生じます。
もっともこれらは一般論であり、個別のケースで生活に影響をあたえるかは、相談してみないとわかりません。
借金返済に困っている場合には、まず弁護士・司法書士に相談してみるようにしましょう。
経験豊富な弁護士をはじめとした債務整理専門チームが丁寧に対応!
そのため、債務整理をするとどうなるのか、弁護士や司法書士が情報として発表していることのほかにも、漫画・アニメやドラマにあるような恐ろしいことが発生するのでは?と心配になる方も多いのではないでしょうか。