債務整理の種類には何がある?選び方・向いている人・費用などについて解説(任意整理・自己破産・個人再生)

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借金の返済が難しくなった場合、対処法のひとつになるのが「債務整理」です。

債務整理とは、法律で認められた手続きや交渉によって、借金を整理(=借金返済を楽にする・免除してもらう)する方法です。

この債務整理には任意整理・自己破産・個人再生と言ったいくつかの方法があります。

それぞれにメリットとデメリットがあり、特徴も異なるため、債務整理を検討している場合は各々の状況に合わせた方法の選択が必要です。

そこで本記事では債務整理の種類やそれぞれの方法のメリットとデメリット、費用相場などを解説します。

本記事を読んで、自分にあった債務整理の方法を選んでみましょう。

※本記事は2026年1月現在の情報を基に作成しています。

この記事の目次

債務整理の種類は4つ

債務整理には、任意整理・自己破産・個人再生・特定調停という4種類の方法が用意されています。

債務整理の種類 内容 費用(目安)
任意整理 債権者と交渉して利息のカットや支払回数を延長して返済する方法 ・収入印紙代や切手代:2,000〜10,000円程度

・弁護士報酬:5~15万円程度

自己破産 破産法に基づく手続きで借金を免責する方法 ・裁判費用:2万〜52万円程度

・弁護士報酬:40~50万円程度

個人再生 民事再生法に基づき、大幅に借金を減額し返済する方法 ・裁判費用:2万〜52万円程度

・弁護士報酬:40~50万円程度

特定調停 調停手続によって利息のカットや支払回数を延長して返済する方法 ・裁判費用:930円程度

・弁護士報酬:3~20万円程度

どのような債務整理を選んだら良いかわからない方々は、以下の選択肢から自分に一番近い状況や、希望を確認してみましょう。

  • 返済は可能であるものの生活が苦しいので、利息のカットや支払期間を延長したい→任意整理
  • 収入がなく、とても借金の返済ができない→自己破産
  • 比較的安定的な収入ではあるものの借金総額が大きく、大幅に借金を軽減したい→個人再生
  • 費用を抑えつつ、裁判所の仲介で借金問題の解決を目指したい→特定調停

その他、余分に支払ったお金を返すよう債権者(消費者金融・金融機関等)へ求める「過払い金請求」も、借金減額の方法です。

それぞれどのような制度か詳しく解説します。

債務整理の種類その1:任意整理

任意整理

引用元:はたの法務事務所

任意整理とは、債権者との交渉により利息のカットや支払回数を延長して返済する方法です。

債権者(消費者金融・金融機関等)から借金をすると、毎月利息を付して返済する必要があるほか、返済が遅れると遅延損害金が付加されます。

また、長期間延滞すれば分割で払うことが認められる期限の利益を失い、一括請求されます。

任意整理は、債権者と交渉して以前取り決めた返済内容を軽くしてもらう債務整理法です。

交渉であれば、借金減額は交渉の結果次第になりそうですが、実務には「クレジット・サラ金処理の東京三弁護士会統一基準」「多重債務者に対する任意整理を処理するための全国統一基準」に基づいて、利息・遅延損害金をカットした金額を分割して支払うという内容になっています。

参考:

任意整理において全国統一基準に従った和解に応じることを求める意見書|仙台弁護士会

多重債務Q&A(五訂版)|日本クレジットカウンセリング協会

「司法書士による任意整理の統一基準」を求める決議|日本司法書士連合会

任意整理のメリット

任意整理のメリットには次のものが挙げられます。

  • 返済の総額が減額する
  • 毎月の支払いが楽になる
  • 都合の悪い債権者は除くことができる

もっとも大きいメリットは、債務者にとって都合の悪い債権者を除いて交渉ができる点です。

例えば奨学金や商工ローンのように保証人が付された債務を債務整理すれば、債権者は保証人に請求する可能性があります。

同様に、住宅ローン・ショッピングローンのように担保が付された債務を債務整理すれば、抵当権を行使されたり物品を引き上げられたります。

自己破産・個人再生ではすべての債務が対象となる一方で、任意整理では交渉する相手(債権者)の選択が可能です。

そのため、債務整理の中でも任意整理は債権者を選べるので、保証人への請求や抵当権を行使しようとする債権者も避けられるというメリットがあります。

任意整理のデメリット

一方で任意整理には次のデメリットがあります。

  • 他の債務整理に比べて大幅な借金減額が困難
  • 返済が不可能なときは利用できない
  • 債権者の協力を得られないと利用できない
  • 自分の信用情報に傷がつく

まず、他の債務整理と比較すると大幅な借金減額が難しい点はデメリットです。

自己破産だと債務は原則としてなくなり、個人再生でも大幅に減額が可能です。

一方で、任意整理は利息がカットできる場合はあるものの、元金自体の減額は非常に困難と言えます。

また、任意整理は返済能力がないと利用できません。

収入が少なく返済できる資金を用意できないときは、自己破産・個人再生を利用しましょう。

さらに、債権者が返済計画に納得しなければ、任意整理は交渉不成立となります。

ほとんどの債権者は任意整理に協力するものの、一部の貸金業者や個人債権者は任意整理に応じない可能性があります。

債務者本人の信用情報に傷がつく点にも注意しましょう。

信用情報とは、個人の支払能力を判断するための情報であり、信用情報機関が管理しています。

信用情報に債務整理をしたという事故情報(ブラックリスト)が登録されると、一定期間にわたり借入やクレジットカードの作成等ができなくなります。

任意整理が向いている人

債務整理の中でも任意整理が向いている人は次の通りです。

  • 毎月の支払いができる余裕のある人(目安として元金を36回で分割した額)
  • 保証人に迷惑をかけたくない人
  • 引き上げられたくない物がある人
  • 自己破産による制限が困る人

任意整理は毎月の継続な返済の可能な人が対象となる債務整理法なので、安定した収入を維持できることが大前提です。

その他、保証人に迷惑をかけたくない・引き上げられたくない物があるという人や、自己破産で財産を没収されたくない・職業や資格を制限されるのは嫌だという人等に任意整理が向いています。

任意整理が向いていない人

一方で任意整理が向いていないのは次の人です。

  • 毎月返済する払う余裕がない
  • 収入に波がある
  • お金の管理が難しい

任意整理は36回~60回程度の分割払いを毎月続けていく必要があります。

そのため、長期に渡って支払える余裕がない場合、任意整理を利用しないほうが良いでしょう。

また、収入にかなり波があるような人や、きちんとお金の管理をして毎月支払い続けるのが難しい人も、任意整理には向きません。

任意整理の費用

任意整理の場合、債権者と書類をやり取りするための郵送料、交渉成立後に債権者と取り交わす合意書(承諾書)の収入印紙代がかかります。

債権者数によって変動するものの、収入印紙・切手代2,000円〜1万円が目安です。

任意整理の弁護士報酬

  • 相談料:債務整理の相談をするときに支払う報酬、0円~30分5,000円が目安
  • 着手金:依頼をするときに支払う報酬、1件つき2万~5万円程度
  • 解決報酬金:債権者と交渉が成功したときに支払う報酬、0円~2万円程度
  • 減額報酬:借金減額に成功した場合の報酬、0円~減額した分の10%程度

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債務整理の種類その2:自己破産

自己破産

引用元:はたの法務事務所

自己破産とは、破産法の手続きに従って債務者の財産を債権者へ配当し、残った債務を免責してもらう債務整理法です。

参考:破産法|e-Gov法令検索

債務者は債権者から借りたお金の全額が免責されるため、債務整理の中でもっとも強力な方法であるといえます。

債務者名義の財産を没収し、債権者へ配当する点に不安を覚える人も多いのです。しかし、生活に必要最低限の物(一定の現金等)は「自由財産」として没収されません。

自己破産のメリット

自己破産のメリットは、原則として債権者から借りたお金の返済が全額免除される点です。

借金返済を免除された債務者(破産者)は、精神的にも金銭的にも大きなプレッシャーから解放され、生活再建を目指せます。

任意整理・個人再生では手続き後に返済を継続を要するものの、自己破産が認められた後に返済する必要がありません。

自己破産のデメリット

一方で自己破産には次のデメリットがあります。

  • 厳格な手続きに従う必要がある
  • 債務者(破産者)名義の財産は基本的に没収
  • 氏名や住所が官報に掲載されてしまう
  • 信用情報に傷がつく
  • いろいろな制限がある

自己破産のデメリットとして、厳格な手続きによることが挙げられます。

特定の債権者にだけ返済するなど、破産法の理念に沿わない行動をとると、破産手続きが認められなくなる場合もあるので、必ず弁護士に依頼して申立て手続きを進めましょう。

また、債務者(破産者)の所有する自宅があれば立ち退かなければならず、自家用車等は基本的に没収されます。

なお、自己破産の手続き中は居住地の変更をしたいとき裁判所の許可が必要です。

自己破産が向いている人

自己破産が向いているのは次に当てはまる人です。

  • 返済できる余裕がない人
  • 早く経済的に立て直したい人

任意整理や個人再生のように、返済を継続しなければならない手続きでは返済できる収入・資力が必要となり、その余裕がない人には自己破産が向いています。

また、自己破産が認められたら返済は免除されるので、早く生活再建を図りたい人にも向いています。

自己破産が向いてない人

自己破産が向いていないのは次のような人です。

  • 自宅や高価な財産を手放したくない人
  • 自己破産で職業制限を受けると困る人

自己破産では債務者(破産者)名義の自宅の他、高額な財産(自動車や宝飾品等)があると没収され、換価処分されて債権者に配当されます。

そのため、これらの財産をどうしても維持したい人に自己破産は向きません。

その他、破産の手続きが開始されれば、免責許可の決定が確定するまで、弁護士や司法書士、行政書士等の士業職や質屋・古物商や警備員等にはなれません。

資格や職業制限を受けると困る人も、自己破産を控えた方が良いでしょう。

自己破産の費用

自己破産にかかる費用は次の通りです。

弁護士報酬

  • 相談料:0円~30分5,000円)
  • 着手金・報酬金:それぞれ20~30万円(分けずに請求する法律事務所もある)

司法書士は自己破産の代理人となれず、自己破産に関する書類作成のみ代行可能です。

裁判所に支払う費用

  • 申立手数料:1,500円(収入印紙を購入する)
  • 予納郵券:2,000円~4,000円(裁判所による)
  • 予納金:2万円程度(裁判所による)
  • 引継予納金:0円~50万円(手続きによる)

自己破産を進めるとき、裁判所に支払う費用だけで数十万円かかる場合があるので注意しましょう。

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債務整理の種類その3:個人再生

個人再生

引用元:はたの法務事務所

個人再生とは、民事再生法の手続きに従って債務を減額し、残る債務を弁済していく債務整理法です。

参考:民事再生法|e-Gov法令検索

個人再生が認められれば、借金を大幅な減額(最大10分の1)が可能となります。

個人再生では住宅ローンで購入した家がある場合、従来どおり住宅ローンの支払いを続けつつ、残った借金の債務整理ができる「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」も用意されています。

参考:倒産部(第6民事部)|裁判所

個人再生のメリット

個人再生のメリットとしては次のものが挙げられます。

  • 任意整理よりも借金が減る
  • 住宅ローンをそのままにしておける
  • 自己破産のような制限は無い

任意整理とは違い、借金を5分の1~10分の1に縮減できるのは大きなメリットです。

個人再生は住宅ローンを別に扱えるので、住宅ローン債権者に抵当権を行使されて家から出ていなければならなくなる、という事態を避けられるメリットがあります。

また、自己破産のように特定の資格・職業制限は受けないので、個人再生をしても現在の仕事に何ら影響はありません。

個人再生のデメリット

一方で個人再生のデメリットとして次のものが挙げられます。

  • 厳格な手続きをクリアしなければいけない
  • 安定した収入がなければ認められない

個人再生も自己破産と同様に厳格な手続きがあり、多数の書類を準備し、裁判所に申立てる必要があります。

裁判所に申立てても書類の不備がみつかれば受理されず、個人再生の手続きに支障をきたす場合があります。

また、個人再生後の返済がきちんとできる人でなければならず、収入が無いような場合には利用できません。

個人再生が向いている人・向いていない人

個人再生が向いているのは次のような人です。

  • 任意整理では返済が難しい人
  • 将来にわたり継続的な収入の見込みがある人
  • 住宅ローンで購入した住宅を守りたい人
  • 職業制限を受けたくない人

債務が多額となり任意整理による返済は難しいものの、大幅に減額してもらえれば返済できる人は個人再生に向いています。

個人再生手続には、個人商店主・小規模の事業を営んでいる人等が対象の「小規模個人再生」、サラリーマンをはじめとした給与所得者が対象の「給与所得者等再生」の2種類があります。

いずれかに該当する人であれば個人再生の利用が可能です。

また、住宅資金特別条項で住宅ローンの残る住宅を守りたい人、職業制限を受けたくない人も個人再生に向いています。

一方、将来にわたり継続的な収入の見込みがない人は、自己破産を選んだ方が良いでしょう。

個人再生の費用

個人再生にかかる費用は次の通りです。

弁護士報酬

  • 相談料:0円~30分5,000円
  • 着手金・報酬金:それぞれ20~30万円(分けずに請求する法律事務所もある)

司法書士は個人再生の代理人となれず、個人再生に関する書類作成のみ代行可能です。

裁判所に支払う費用

  • 申立手数料:1万円(収入印紙を購入する)
  • 予納郵券:2,000円~4,000円(裁判所による)
  • 予納金(公告費用):2万円程度(裁判所による)
  • 予納金(個人再生委員報酬等):15万円程度(裁判所による)

弁護士が個人再生の申立てを行えば、予納金(個人再生委員報酬等)は不要となる場合がほとんどです。

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債務整理の種類その4:特定調停

特定調停は、借金問題を調停によって解決する債務整理法です。

裁判所の調停委員が間に立ち債務者・債権者の主張や事情を聞き、返済条件の整理・交渉を行い、和解を目指す民事調停手続きとなります。

参考:民事調停手続|法務省

民事調停手続きの中でも、「特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律(特定調停法)」という法律を定め、借金解決のために使いやすくしたのが特定調停です。

参考:特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律|e-Gov法令検索

人気お笑い芸能人が利用した事実を公表しており、通常は弁護士・司法書士に依頼せず、自分で申し立てを行う場合もあります。

参考:カンニング竹山 地獄の借金生活…その一方で相方は驚きの秘策で完済 おぎやはぎの2人も驚がく|スポニチ

また、特定調停は任意整理がうまくいかないとき、弁護士・司法書士が例外的に利用する場合もあります。

特定調停のメリット

特定調停のメリットとして次の2つが挙げられます。

  • 簡易な手続きと少額の費用で進められる
  • 短い期間で結果が出る

特定調停のメリットは、簡易な手続きと少額の費用で進められるので、弁護士・司法書士に依頼しなくても借金の減額を目指せる点です。

特定調停は基本的に自分で申し立てをする手続きなので、あまり弁護士・司法書士に依頼しません。

自分で申立てるなら、弁護士・司法書士に依頼する費用を心配する必要もないでしょう。

また、特定調停は申立~終了までに2~3か月程度かかります(裁判所には2回程度出頭)。

自己破産や個人再生のように申立~終了まで半年~1年程度もかかりません。

特定調停のデメリット

特定調停のデメリットとして次の2つが挙げられます。

  • 調停委員次第では満足な結果が得られない場合も
  • 支払いが遅れるとすぐに強制執行される

調停委員は民事法分野に詳しい民間人が選任されます。

ただし、債務整理や借金問題に詳しい人ではなければ、利息・遅延損害金に関する豊富な知識を有しているとは限りません。

任意整理に近い結果を得られる場合がある特定調停であるものの、債務整理や借金問題に詳しくない人が調停委員の場合、債務者(申立人)にとって満足な結果とならないおそれがあります。

一方、特定調停で和解が成立すれば「調停調書」が作成されます。

和解後もしも返済が遅れた場合は、債権者が調停調書を使用し、すぐに強制執行を申立てるおそれがあります。

特定調停に向いている人・向いていない人

特定調停に向いているのは次の人です。

  • 弁護士・司法書士に依頼したくない人
  • 調停委員ときちんと交渉ができる人
  • 支払うための余裕がある人

どうしても弁護士・司法書士への報酬を払いたくない人や、自分の意見を主張し調停委員にきちんと話し合いができる人、毎月の返済を行う余裕がある人なら特定調停に向いています。

逆に、調停委員ときちんと交渉をする自信がない人、毎月返済できるだけの収入や資力がない人は特定調停に向いていません。

特定調停の費用

特定調停のために簡易裁判所に申立てるときは、申立書1件につき収入印紙500円分、郵便切手84円5枚・10円1枚、計2点の費用負担だけで済みます。

特定調停にかかる費用は次の通りです。

裁判所に支払う費用

  • 申立手数料:1社につき500円(収入印紙で収める)
  • 予納郵券:1社につき500円程度

なお、弁護士に依頼する場合は約6~16万円・(減額成功)減額報酬分10~20%程度、司法書士:約3~6万円・(減額成功)減額報酬分10%程度かかります。

その他:過払い金請求

過払い金請求とは、債権者に払い過ぎていた利息を返してもらう方法です。

過払い金の発生している可能性があるのは、2010年6月17日以前に借金をしたケースです。

既に完済している借入先があったなら、次の計算で利息を算定してみましょう。

「借り入れ金額×利息制限法の金利×借入日数÷365日=利息」

利息制限法の金利上限の15%~20%を超えていれば、過払い金が発生しています。

この過払い金が返還されれば、返済中の借金に充当も可能です。

参考:過払い金とは|東京弁護士会

過払い金請求のメリット

過払い金請求の場合、債務の完済後に債権者へ返還請求すれば、自己の信用情報に事故情報(ブラックリスト)を登録されることなくお金が戻る点は大きなメリットです。

事故情報(ブラックリスト)を登録されると、新たな借入・クレジットカードの作成・携帯電話やスマートフォンの分割購入などができなくなります。

債務を完済していた状態で請求した場合には、法的にはもう債務がない状況なので、事故情報(ブラックリスト)には登録されません。

金融庁でも「コメントの概要及びそれに対する金融庁の考え方」において「なお、現在、過払い金返還に係る情報を登録している信用情報機関では、完済後になされた過払い金の返還については登録していないと承知しています。」としています。

参考:コメントの概要及びそれに対する金融庁の考え方|金融庁

過払い金請求のデメリット

過払い金請求をするにあたっては慎重に行動する必要があります。

過払い金請求は2010年6月18日に出資法が改正されるまで発生していました。

過払い金を請求できる権利は2020年4月1日の民法改正により、原則として完済から10年または過払い金請求のできる事実を知ってから5年が期限となります。

過払い金が最後に発生する状態から15年も経過しており、過払い金を請求する権利が時効で既に消滅しているケースも多いことでしょう。

そのため過払い金請求をしたいときは、まだ請求できるか否かを慎重に検討する必要があります。

まずは請求前に、過払い金に詳しい弁護士・司法書士へ相談してみましょう。

過払い金請求が向いている人・向いていない人

債務整理の方法として過払い金請求が向いているのは、2010年6月17日以前に消費者金融・信販会社から借入をしていた人です。

過払い金は出資法改正によって2010年6月18日以降は発生していないので、それより前に借入をしていたことが前提条件となります。

そのため、借入歴が2010年6月18日以降の人は、過払い金請求は向いていません。

過払い金請求にかかる費用

過払い金請求にかかる費用は次の通りです。

弁護士・司法書士報酬

  • 相談料:0円~30分5,000円
  • 着手金:1社につき0円~50,000円
  • 解決報酬金:1社につき0円~20,000円
  • 過払い金報酬金:交渉で取り戻した額の20%・裁判を起こした場合は25%

過払い金請求はアヴァンス法務事務所がおすすめです。

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債務整理の流れ(任意整理・自己破産・個人再生・特定調停)

ここでは任意整理・自己破産・個人再生・特定調停それぞれの手続きの流れを説明しましょう。

任意整理の流れ

任意整理では裁判所の関与が無い他、交渉する債権者を選んで話し合いが可能です。

任意整理の手続きの流れは次の通りです。

  1. 債務を調査する:債権者(消費者金融・金融機関等)・借りた年月日、返済金額・返済期限を確認する。
  2. 債務を確定する:利息制限法の利率で計算後、残債務を把握する。
  3. 返済計画案の作成:債務の軽減案や返済期間、返済方法(一括返済案または分割返済・回数)を記載する。
  4. 返済計画提出・交渉開始:返済計画を債権者に提出し交渉する。
  5. 債権者との合意:債権者が納得したら和解契約を締結、その内容に従い返済を行う。

任意整理にかかる期間は3~6か月程度となっています。

任意整理を成功させるには、説得力のある返済計画を立てて、債権者を納得させる必要があります。

素人が説得力のある返済計画を立てるのは非常に困難です。任意整理の実績がある弁護士・司法書士に依頼し作成してもらいましょう。

自己破産の流れ

自己破産の手続きの流れは次の通りです。

  1. 破産手続の準備を開始する:申立書等に必要事項を記載、提出書類を収集する。
  2. 破産手続開始申立をする:申立書・陳述書・債権者一覧表・財産目録・住民票の写し等を申立人(債務者)の住所地を管轄する地方裁判所へ提出。申立費用も納付。
  3. 審尋:裁判所が必要と判断すると、申立人(債務者)は呼び出しを受けるときもある。裁判官から自己破産に関する質問を受ける。
  4. 破産手続開始が決定される:申立人に一定の財産があると判断されたら、破産管財人を選任し財産は没収・換金される(管財事件・少額管財事件)。一方、財産はないと判断されると破産手続開始決定と同時に破産手続廃止を決定(同時廃止事件)。
  5. 債権者集会の開催:月に1度開催・概ね1回〜3回で終了。破産管財人が申立人の債権者に換価等の状況報告をする。
  6. 債権者に配当・免責許可の決定:破産者名義の財産が換価され債権者に配当し、破産手続は終結し免責許可が決定する。
  7. 免責確定:裁判所による免責決定が官報で公告され、その後2週間以内に債権者から異議がなければ免責は確定する。

自己破産にかかる期間は5か月~1年程度となっています。

債権者集会は複数回開催される場合があり、その際に債権者から激しい反発を受けるおそれもあるでしょう。弁護士が代理人となっていればとても心強いです。

個人再生の流れ

個人再生は自己破産と同様、地方裁判所に申し立て手続きを進めていきます。

個人再生の手続きの流れは次の通りです。

  1. 書類を事前に準備する:申立書・提出書類を作成・収集。
  2. 地方裁判所へ申し立て:申立書等を提出、必要な費用を支払う。
  3. 個人再生手続開始を決定:裁判所または再生委員の面接を経る。履行テストが行われる場合もある。
  4. 再生債権の届出:裁判所から債権者へ再生手続開始決定書・債権届出書が送付される。
  5. 再生計画案の提出:債務者は再生計画案の作成・提出を行う。
  6. 再生計画案の書面決議または債権者の意見聴取:小規模個人再生→書面決議、給与所得者等再生→決議不要。
  7. 個人再生認可決定:再生計画案が認可され再生計画案確定。返済開始。

個人再生にかかる期間は半年~1年程度となっています。

特定調停の流れ

特定調停では簡易裁判所に申立てる必要があるものの、あくまで裁判所側は当事者の調停・和解を図るという役割にとどまります。

特定調停の手続きの流れは次の通りです。

  1. 書類の事前に準備する:申立書・提出書類を作成・収集。
  2. 簡易裁判所へ申立てる:申立書等を提出、費用を支払う。
  3. 事件受付票の交付・調査期日が指定される:裁判所が事件受付票を交付、調査期日が決定される。
  4. 調停委員の選任が行われる:裁判所が調停委員名簿に基づき、調停委員を選任する。
  5. 調査期日:調停委員・本人が債務状況の確認等を行い、資料をもとに返済計画作成。
  6. 第1回調停期日:調停委員と各債権者の調停開始。
  7. 調停調書の作成:債権者が返済計画に同意をした場合は調停調書作成される。

特定調停にかかる期間は2~3か月程度となっています。

債権者が異議を述べ和解不成立となれば、個人再生や自己破産等、別の方法で借金問題の解決を図ることになるでしょう。

よくある質問

ここでは、債務整理のよくある質問に回答していきましょう。

債務整理ができない人はいる?

任意整理・自己破産・個人再生・特定調停の条件はそれぞれ次の通りです。

  • 任意整理・特定調停:基本的に誰でも利用できる反面、安定した収入・資力がないと債権者との和解は困難
  • 自己破産:安定した収入がない・借金額が高額になり返済の見込みもない
  • 個人再生:将来にわたり継続的な収入の見込みがある等

任意整理・特定調停に厳しい条件はないものの、債務者に安定した収入・資力がなければ債権者との和解は困難です。

自己破産は安定した収入があり返済の見込みもある場合、裁判所は申立てを認めない可能性が高いです。

逆に個人再生の場合、サラリーマンや自営業者のように継続的な収入の見込みのある人でなければ、個人再生の申立ては認められません。

また、自己破産・個人再生は「債権者平等の原則」に反する行為(例:特定の債権者だけに優先して返済した等)を禁じています。

債権者平等の原則に反する行為が発覚した場合、債務者は自己破産・個人再生を行えなくなります。

債務整理しない方がいい場合とは?

債務整理をしない方が良い場合は、主に次のような人です。

  • 借金を返すだけの十分な資力がある人
  • 過払い金で借金の全額を返済できる人
  • 「時効援用」ができる人
  • 信用情報に事故情報(ブラックリスト)を登録されたくない人

過払い金請求を行い戻ってきたお金で現在の借金全額の返済ができるなら、わざわざ債務整理をする必要はありません。

時効援用とは、債権者から5年以上にわたり一切請求されず、債務者本人から借金の返済もしていなかった場合、消滅時効を迎えたので返済しないと伝える方法です。

過払い金請求や時効援用が可能か否かは自分で勝手に判断せず、弁護士・司法書士とよく相談してから手続きを進めましょう。

また、債務整理を行えば自己の信用情報に事故情報(ブラックリスト)が登録されます。

登録後に新たな借入やクレジットカードの作成等が一定期間できなくなるのが嫌な人は、債務整理を控えましょう。

債務整理したら車はどうなる?

自己破産を行った場合は、債務者(破産者)名義の車は没収される可能性があります。

一方、債務者(破産者)以外の家族名義の車であれば基本的に没収されません。

ただし、家族名義の車でも債務者(破産者)破産者の収入や借金により取得したものと判断された場合、没収されるおそれがあるので注意しましょう。

債務整理と任意整理の違いは?

任意整理とそれ以外の債務整理の違いは、裁判所が関与するか否かの違いです。

自己破産・個人再生・特定調停の場合、裁判所に申立てるので指定された書類を収集・提出し、法律に則り手続きを進めていきます。

一方、任意整理は債権者と直接交渉する債務整理法なので、必要書類や手続きの方法は法律で規定していません。

ただし、債権者が納得するような返済計画を立てないと、交渉不成立となる可能性が高いので注意しましょう。

債務整理が家族や職場にバレることはある?

次のケースでは、債務整理の事実を家族に知られてしまう可能性があります。

  • 家族が保証人となっている→(例)自己破産や個人再生の手続きをすると、債権者から保証人となった家族に一括返済の請求をする
  • 債務者本人に配偶者がいる→(例)自己破産や個人再生では配偶者に収入がある場合、収入に関する資料の提出を求められるので配偶者の協力が必要
  • 債務者本人が家族に生計を維持されている→(例)自己破産をする債務者本人が無職・低収入で、家族に生計を維持されている場合、家族に協力してもらい家族の収入に関する資料が必要

一方、職場に発覚するケースはほとんどありません。

自己破産や個人再生をしたら官報に住所・氏名が掲載されるものの、職場の方々が官報を毎日確認するケースはほとんどなく、債権者・裁判所から職場に通知されることもありません。

たとえ債務整理の事実が職場で発覚しても、それを理由に解雇するのは「不当解雇」となります。ただし、資格制限を受ける職務に就いていると破産手続きが完了するまで、企業側はその職務を一時停止する必要があります。

債務整理すると就職や結婚に不利になる?

就職に関しては破産手続中の場合、弁護士・司法書士・行政書士などの士業、警備員や質屋などの資格の効力が停止され、それを使った仕事ができなくなるので注意しましょう。

一方、結婚に不利となるケースはほとんどありません。

債務整理を行うと信用情報に事故情報(ブラックリスト)が登録されるものの、一定期間が経てば事故情報は抹消されます。

また、債務整理をした事実が戸籍・住民票に記載されることも一切ありません。

まとめ

本記事では債務整理にはどんな種類があるのか、どうやって選ぶのか、個別にどの手続きが向いているのか、費用などをお伝えしました。

債務整理には任意整理・自己破産・個人再生など複数の方法があり、どれが適しているかは収入や支出、借金の額、生活状況などを総合的に判断する必要があります。

たとえ「自己破産だけは避けたい」と思っていても、収入が無ければ他の方法が選べない場合もあります。

そのため、まずは弁護士や司法書士に相談し、自分に合った債務整理の方法を見つけることが大切です。

監修者:司法書士法人ABC メディア担当

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