「任意整理では十分な支払いができない」
「住宅ローンで住宅を購入したが債務の返済ができなくなった」
「自己破産では今の職業を辞めなければならなくなる」
このような場合に利用することになる債務整理の方法が個人再生です。
債務整理の中でも個人再生を依頼する場合に、相談・依頼をするのにおすすめの弁護士・司法書士にはどのような事務所があるのでしょうか。
本記事では、個人再生を依頼するのにおすすめの弁護士・司法書士について解説します。
参考:
まずはこの弁護士・司法書士に相談!個人再生におすすめ弁護士・司法書士ランキングTOP5
個人再生に限らず債務整理をするのであれば、この弁護士・司法書士には必ず意見を聞いておくべき5つの事務所についてご紹介します。
はたの法務事務所
- 相談件数20万件以上の圧倒的な実績
- 相談料が完全無料
- 全国出張相談が無料
- 費用の分割払いが可能
- 女性専用の無料ダイヤルあり
はたの法務事務所の概要は次の通りです。
名称 | 司法書士法人 はたの法務事務所 |
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代表社員 | 司法書士 鈴木 法克 |
所在地 | 〒167-0051 東京都杉並区荻窪5丁目16‑12 荻窪NKビル5階(受付)・6階 |
事務所開設 | 設立:2008年7月1日 |
営業時間 | 無料相談ダイヤル(全国対応・電話/Web受付) ・電話受付時間 平日:8:30〜21:30 土日祝:8:30〜21:00 ・Web受付(オンライン相談):年中無休/24時間受付 |
取り扱い業務 | 手続き / 相談料・着手金 / 基本報酬 任意整理 / 無料 / 1社あたり 22,000円 過払い金請求 / 無料 / 無料 個人再生 / 無料 / 385,000円 自己破産 / 無料 / 330,000円~ |
実績 |
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はたの法務事務所には、司法書士歴27年以上の経験豊富な司法書士が在籍しています。
拠点は東京ですが、全国への出張相談にも無料で対応しており、相談料は何度でも無料で納得できるまで利用可能です。
また、女性専用の相談ダイヤルも設けられており、希望すれば女性司法書士や女性スタッフが対応します。
個人再生の費用は385,000円ですが、分割払いに対応しているため、費用面の不安がある方でも安心して依頼できます。
はたの法務事務所の主な司法書士
引用元:司法書士法人はたの法務事務所
所属:東京司法書士会 / 登録番号:7018
学歴・資格:明治大学農学部卒 / 1991年 司法書士試験合格
所属事務所:2011年7月〜「はたの法務事務所」在籍
役割(個人再生):書類作成支援/家計表の整備/再生計画案のとりまとめ/必要書類のチェック・期限管理
モットー(編集部案):事実に即した正確な書類と期限厳守を徹底し、迷いを一つずつ解消するサポートを。
はたの法務事務所で債務整理した人の口コミ
仕事の関係上、私のわかる範囲でお答えします。
手順として どうしても毎月の返済ができなくなったなら 債務整理として任意整理をしたいと弁護士か 司法書士に無料相談します。
おすすめの法律事務所なら 「アヴァンス法務事務所」「 はたの法務事務所」 がいいかとおもいます。
メール相談でオッケーです。まずは債務診断を してくれます。
費用としては、はたの法務事務所は 1債権あたり基本報酬2万、 他に減額できた債務の金額の10% となっています。
費用は分割払いが可能です。 任意整理は、裁判所を通さないので官報に載ることもなく バレないというかばれにくい方法です。
引用元:Yahoo!知恵袋
はたの法務事務所の口コミ評判についても、詳細が気になる方はチェックしてみてください。
弁護士法人みやび
画像引用元:弁護士法人みやび
弁護士法人みやびの概要は次の通りです。
名称 | 弁護士法人みやび(前身:汐留パートナーズ法律事務所) |
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代表社員 | 佐藤 秀樹(弁護士) |
所在地 | 〒105-0021 東京都港区東新橋1-1-21 今朝ビル5階 |
事務所開設 | 2019年(弁護士法人化) |
営業時間 | LINE・メール相談:24時間対応(受付) 電話受付:主に平日10:00〜21:00、土日祝休業または制限あり |
費用 | 1.債務整理など法律相談全般
相談料:何度でも無料 着手金:0円~ 任意整理 解決報酬:22,000円 2.退職代行サービス 基本料金(職種により異なる): アルバイト・会社員・契約社員:27,500円(税込) 公務員:55,000円(税込) 自衛隊・業務委託・会社役員:77,000円(税込) |
実績 |
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弁護士法人みやびは、東京を拠点に借金問題に注力している法律事務所で、平成21年の開設以来、15年間で4,000件以上の案件を解決してきた実績があります。
代表の佐藤秀樹弁護士は、慶應義塾大学法科大学院でゼミ講師を務めるほか、慶應義塾大学法学研究所でも講師として活動するなど、教育分野でも幅広く活躍しています。
相談受付は10:00~20:00までと時間が長く、休日対応も行っているため相談しやすい環境です。
個人再生は税込44万円から依頼可能で、分割払いにも対応しており、費用面で無理なく手続きを進められます。
また、任意整理については着手金0円からとし、少額債務の依頼者にとって費用倒れにならないよう配慮がなされています。
弁護士法人みやびの主な司法書士
引用元:所属弁護士|弁護士法人みやび
所属・役職:第一東京弁護士会 / 代表弁護士(所長)
登録番号:33420
学歴:慶應義塾大学 法学部法律学科 2000年卒(平成12年)
経歴:2003年(平成15年)司法試験合格 → 片岡法律事務所
2007年(平成19年)〜 慶應義塾大学法科大学院・法学研究所 講師
2009年(平成21年) 汐留パートナーズ法律事務所(現・弁護士法人みやび)開設
主な取扱領域:一般民事(債権回収・相続 等)/企業法務(M&A・事業再生・取引・労務・知財 ほか)
モットー:「サービス業を手本にしたスタンスや行動を心掛けております。」
弁護士法人みやびで債務整理した人の口コミ
恥ずかしながら借金の滞納で無料相談を利用しました。 3ヵ所電話をしていまいちな対応で、心が折れそうでしたが、 こちらの電話口の事務の方?男性の方でしたが、凄く親身に話を聞いてくださり、方法を何通りか考えてくれました。 依頼をお願いする前でしたが時間をかけて丁寧に寄り添って話をしてくださったのと、もし依頼をした場合の金額を詳しく教えていただき、そうなると月々いくらだからと今後の生活の見直しなども考えてくださいました。 無料でここまで丁寧に話を聞いてもらえたのがこちらだけでした。 正直、弁護士相談や依頼ははじめてだったので値段は高い安いが分かりませんが、とても親身に寄り添っていただけたので依頼をお願いしました。
弁護士法人オーガスタ
画像引用:弁護士法人オーガスタ公式サイト
- 法律相談が無料
- 年間44,000件もの法律相談実績(2022年6月~2023年5月までの実績)
- 無料の診断あり
- 支払総額が減額できた人は80%以上(2022年1月~2022年12月までの実績)
弁護士法人オーガスタの概要は次の通りです。
名称 | 弁護士法人オーガスタ |
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代表社員 | 弁護士 樫塚 紘之 |
所在地 | 〒101-0061 東京都千代田区神田三崎町2-17-9 SNT水道橋ビル(受付2階) |
事務所開設 | 設立:2022年6月 |
営業時間 | 電話受付:平日10:00〜21:00、土日祝は原則休業 |
費用 |
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実績 |
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弁護士法人オーガスタは、東京を拠点とする法律事務所です。
4名の弁護士が在籍し、それぞれの専門分野を活かして過払い金請求に限らず幅広い案件に対応しています。
債務整理や過払い金請求に関しては、年間44,000件もの相談実績があり、相談料は無料のため、経験豊富な弁護士に気軽に相談したい方に最適です。
弁護士法人オーガスタの主な司法書士
引用元:弁護士法人オーガスタ
所属弁護士会:第二東京弁護士会
登録番号:53702
出身地:岐阜県
学歴:日本大学大学院 法務研究科
資格:日商簿記
趣味・特技:ゲーム(スプラトゥーン)、スポーツ観戦
好きな言葉:「今やるべき事をやればいい」
弁護士法人オーガスタで債務整理した人の口コミ
先日旦那の債務整理でお世話になりました。旦那が私に黙って作った借金が膨らみ過ぎてどうしたらいいのかわからない状態でしたがすぐに対応してくださり減額に成功いたしました。私の心配もして頂きありがとうございました。
弁護士法人オーガスタの口コミ・評判については「弁護士法人オーガスタ 口コミ」のページでご紹介しているので参考にしてください。
法律事務所FORWARD
画像引用元:法律事務所FORWARD
法律事務所FORWARDの概要は次の通りです。
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法律事務所FORWARDは、2014年に東京・渋谷で保坂康介弁護士が設立した法律事務所です。
保坂弁護士は弁護士登録から10年以上のキャリアを持ち、債務整理をはじめ、企業法務や個人法務に幅広く精通しています。
特に自己破産の手続きにおいて破産管財人を務めた豊富な経験を有しており、高度な知見に基づく対応が可能です。
また、心理カウンセラー資格を持ち、相談者に寄り添った丁寧なカウンセリングを行える点も特徴です。著書『心理カウンセラー弁護士が教える 気弱さん・口下手さんの交渉術』では、任意整理や裁判所との交渉に役立つスキルを紹介しています。
さらに、破産管財人としての豊富な経験を活かし、自己破産や個人再生などの債務整理に強みを持っています。
法律事務所FORWARDの主な司法書士
引用元:法律事務所FORWARD
所属弁護士会:第一東京弁護士会。
登録番号:39972。
登録年・修習期:2009年登録/第62期司法修習。
生年・出身:1977年(12月)/秋田県秋田市。
学歴:明治大学 政治経済学部 政治学科 卒。
資格等:心理カウンセラー資格(著者紹介より)。
主な取扱分野(公開情報ベース):債務整理/企業法務/離婚・相続 ほか。
著作:『気弱さん・口下手さんの交渉術 ― 心理カウンセラー弁護士が教える』(日本実業出版社、2024年)。
趣味・モットー:旅行・ゴルフ・野球/「明るく、元気に、堂々と」。
法律事務所FORWARDで債務整理した人の口コミ
まだ若いのに複数社から借金してしまい、どうにもならず相談しました。 最初は不安でしたが、カウンセラー資格を持つ弁護士さんが親身になって話を聞いてくれて、気持ちも落ち着きました。 電話対応もとても丁寧で、専門用語もかみ砕いて説明してくれたのでアホな自分でもよく理解できました。 手続きの進捗もこまめに連絡してくれて、不安なく任せられました。 同じように悩んでる人にはぜひ相談してみてほしいです。おすすめです。
司法書士事務所TOT
画像引用元:司法書士法人TOT
司法書士事務所TOTの概要は次の通りです。
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司法書士法人TOTは、2022年に法人化された司法書士法人です。
新宿区の高田馬場法務事務所と八丁堀のアイクス司法書士事務所が合併して設立され、いずれも債務整理をはじめとする分野に強みを持っています。
代表の坂本知昭司法書士(2005年登録)と沖丈晴司法書士(2009年登録)を中心に、債務整理や消費者被害、相続、不動産・商業登記など幅広い業務を手がけています。
引用元:司法書士法人TOT
所属司法書士会:東京司法書士会
登録番号:4070
資格取得:26歳時に司法書士試験合格
経歴要約:資格取得後、司法書士としての実務に従事
得意分野(公開情報ベース):相続手続(相続相談・相続登記 等)/債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)。
相談サポート
モットー:「法律問題で悩む方のお手伝いをし、笑顔になっていただくことを心がけています。」
司法書士法人TOTで債務整理した人の口コミ
丁寧な対応で不安なくお願いできました。
地域別の個人再生のおすすめ法律事務所
全国どこにいても、信頼できる事務所に相談することが大切です。以下、主要都市ごとに「個人再生に強い」と評判のある法律事務所をピックアップしました。
東京で個人再生に強い法律事務所
- ベリーベスト法律事務所 東京オフィス
全国展開する大手事務所。債務整理や個人再生をはじめ幅広い分野に強みを持ち、豊富な実績とサポート体制が特徴です。 - 弁護士法人心 池袋法律事務所
債務整理に特化した専門チームが対応。池袋駅近くでアクセス良好、相談料無料で丁寧な説明に定評があります。 - 弁護士法人心 東京法律事務所
東京駅徒歩圏内の好立地。債務整理・個人再生に強く、土日祝や夜間相談にも対応可能で利用しやすい事務所です。
大阪で個人再生に強い法律事務所
- ロイヤーズハイ
相談料・成功報酬無料、分割支払いOK。Google口コミ4.5以上、2,000件超の相談実績が信頼感を生みます。 - TMG法律事務所
自己破産せず住宅を残す個人再生に対応。分割支払いで負担軽減できる点が安心です。 - あわざ総合法律事務所
個人再生が20万円から対応可能で、リーズナブルな費用設定が魅力です
名古屋で個人再生に強い法律事務所
- 弁護士法人心 名古屋法律事務所
名古屋駅近く、夜間・土日祝も相談可能で利便性が高い事務所です。 - 弁護士法人名古屋総合法律事務所
年間450件、累計2,500件以上の債務整理実績を誇り、地域トップクラスの対応力です。 - 中部法律事務所
徒歩圏の立地で、任意整理から個人再生まで幅広く対応。無料相談も可能です。
京都で個人再生に強い法律事務所
- 弁護士法人心 京都法律事務所
京都駅から徒歩3分、夜間・土日祝対応でアクセス・相談の利便性が高いです。 - K・Gフォート法律事務所 浅野康史弁護士
絞り込み検索でも注目される専門家で、信頼性があります。 - リーベ法律事務所
無料相談可能で、内緒での相談にも対応。親身な対応が期待できます。
福岡で個人再生に強い法律事務所
- 弁護士法人米盛法律事務所
天神駅より徒歩3分、初回相談無料、夜間・休日対応ありで相談しやすい体制です。 - フレア法律事務所 福岡オフィス
無料相談・LINE相談可、個人再生を含む債務整理対応が充実しています。 - いかり法律事務所
個人再生をはじめ債務整理の相談・申立件数が多数あり、安心感があります。
個人再生とは
個人再生とは、「個人再生手続とは,将来継続的収入を得る見込みがある個人で,住宅ローン等を除く借入金など(債務)の総額が5,000万円以下の人(債務者)が,借入金などの返済ができなくなる等,経済的に苦しい状況にある場合,将来の収入によって,債務を分割して返済する計画を立て,その計画を債権者の意見などを聞いた上で裁判所が認めれば,その計画に従った返済をすることによって,残りの債務が免除されるという手続」のことをいいます。
引用:個人再生手続説明書|鹿児島地方裁判所(PDFファイル)
長い説明文になっているのですが、借金を減額してもらって分割で払っていく裁判所での手続き、と大まかに理解してください
個人再生は民事再生法という法律において定められている手続きで、個人の債務者が利用することを前提とした民事再生法第13章の規定に基づいて、借金の減額をする手続きです。
自己破産と同様に裁判所に申立を行う手続きであり、任意整理と同様に債務を長期に分割して支払っていく手続きであるという特徴があります。
手続きの特徴として次の6つが挙げられます。
- 減額された債務を分割して支払っていく
- 原則として全ての債権者が対象になる
- 財産をもっておくことができる
- 裁判所に申立をする
- 住宅ローンで購入した住宅が残せる
- 自己破産による制限を受けない
個人再生手続きの特徴1:減額された債務を分割して支払っていく
個人再生手続きの特徴として、減額された債務を分割して支払っていくことになることが挙げられます。
個人再生手続きは、民事再生法所定の手続きを経て、債務を減額し、その債務を分割して支払うという特徴があります。
債務は次の区分に従って減額されます。
債務の額 | 個人再生 |
100万円以下 | 借金の減額はなし |
100万円以上500万円以下 | 100万円 |
500万円以上1,500万円以下 | 1/5 |
1,500万円以上3,000万円以下 | 300万円 |
3,000万円以上5,000万円以下 | 1/10 |
よく大雑把な説明の債務が約1/5になる・最大で1/10になる、という説明がされますが、実務上は債務が100万円~500万円の間であることがほとんどで、100万円を分割返済することが多いです。
この債務を原則として3年(最長5年)で分割して支払っていくことになります(民事再生法第229条第2項)
任意整理では元金を分割して支払う必要があり、債務が300万円である場合、任意整理では300万円を分割返済するのに対して、個人再生では100万円を分割返済することになるので、同じ分割返済をする場合でも大きく債務が減額するという特徴があります。
個人再生手続きの特徴2:原則として全ての債権者が対象になる
個人再生手続きの特徴の2つ目として、原則として全ての債権者が対象になることが挙げられます。
同じように分割返済する任意整理は、個々に債権者と交渉するという特徴があります。
一方で個人再生は法律に基づく手続きとして行われ、基本的にすべての債権者を平等に取り扱います。
そのため、原則としてすべての債権者が対象となります。
任意整理では保証人がついている債務や担保がついている債務について対象から外すことができるのですが、個人再生ではそれができません。
個人再生手続きの特徴3:財産をもっておくことができる
個人再生手続きの特徴の3つ目として財産をもっておくことができることが挙げられます。
自己破産をする場合、持っている財産は原則としてお金に替えて配当する必要があります(破産法第34条第1項)。
法律の建前ではこのようになっているのですが、生活に必要なものは自由財産としてもっておくことができるので、売却されてしまうのは高価な財産(目安は20万円)だけです。
個人再生手続きではこのような財産をお金に替える必要はないので、財産をそのまま持っておくことができます。
個人再生手続きの特徴4:裁判所に申立をする
個人再生手続きの特徴の4つ目が、裁判所に申立をすることです。
同じ債権者への任意整理は個々の債権者と交渉をする手続きですが、個人再生は裁判所に申立をして法律の規定に基づいて分割弁済することになります。
おなじく裁判所に申立をする自己破産と同様、裁判所への申立には厳格なルールに基づく手続きがあり、申立書の作成や添付書類の収集などの手間がかかることになります。
この手続きの負担の差は弁護士費用の差につながることになります。
個人再生手続きの特徴5:住宅ローンで購入した住宅が残せる
個人再生手続きの特徴の5つ目に、住宅ローンで購入した住宅が残せることが挙げられます。
個人再生には住宅資金特別条項(民事再生法第10章第196条以下)というものがあります。
これは、住宅ローンで住宅を購入した際に、住宅ローン債権者に対してはそのまま支払うことを認めて、住宅を維持することを認めるものです。
住宅ローンで住宅を購入した場合、住宅ローンの支払いができなくなった時のことを想定して、住宅に抵当権という担保権がつけられています。
住宅ローンの支払いができなくなると、債権者は抵当権を実行することができ、具体的には競売にかけられて売却され、その売却代金を債務の返済に当てることが可能です。
この場合当然ですが債務者は住宅を手放す必要があります。
住宅資金特別条項によって個人再生をすると、住宅ローンをそのまま支払うことが認められ、抵当権が実行されずに住宅を持ちつづけることができます。
大雑把な説明でよく「民事再生では自宅を維持できる」と説明されるのがこの住宅資金特別条項によるものです。任意整理では返済できないけど自己破産では住宅を失うという場合には、債務を減額してもらえる個人再生の利用が検討されます。
個人再生手続きの特徴6:自己破産による制限を受けない
個人再生手続きの特徴の6つ目に、自己破産による制限を受けないことが挙げられます。
自己破産をするとき、手続中様々な制限を受けるデメリットが避けられません。
その中の一つに、一定の職業制限があります。
代表例として警備員・保険外交員・宅建士といった仕事の人は、破産手続開始決定後に登録を受けることができないとされており、すでに登録している人は取り消す必要があります。
手続きが終わればこのような制限は解除できるものの、特に現にそれらの職に就いている人は職を失う可能性が高く、自己破産手続きの利用に大きなデメリットを伴います。
個人再生には職業制限がないので、警備員・保険外交員・宅建士といった職業についている人でも利用ができます。
個人再生の種類
個人再生には次の2種類があります。
- 小規模個人再生
- 給与所得社等再生
小規模個人再生
小規模個人再生とは、個人で住宅ローン以外の債務が5,000万円以下である場合に利用できる、民事再生法の特別な手続きをいいます。
民事再生法第221条以下に規定されている手続きで、個人再生の原則的な手続きです。
給与所得者等再生
給与所得者等再生とは、小規模個人再生のうち、給与所得など安定した収入がある人が利用できる、民事再生法の特別な手続きをいいます。
民事再生法第235条以下に規定されている手続きで、給与所得など安定収入がある人が利用できる手続きです。
個人再生をするための要件
個人再生をするための要件は次の通りです。
- 個人である
- 債務が5,000万円以下である
- 将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがあり返済がきちんとできる
- 支払不能のおそれがある
- 債権者の同意がある(小規模個人再生)
個人である
要件の1つ目が、個人であること、です。
小規模個人再生について定める民事再生法第221条は、「個人である債務者」と規定しており、給与所得者等再生について定める第235条も第221条の要件を満たすことが前提となっています。
そのため、個人が利用することが前提であり、法人は個人再生手続きの利用ができません。
商売をしている人で小さくても法人で運営している場合には利用ができませんが、個人事業主は利用が可能です。
債務が5,000万円以下である
債務が5,000万円以下であることが必要です。
小規模個人再生について定める民事再生法第221条は、「再生債権の総額(中略)が五千万円を超えないもの」と規定しており、給与所得者等再生について定める第235条も第221条の要件を満たすことが前提となっています。
そのため、債務が5,000万円以下である必要があります。
なお、住宅資金特別条項を利用する場合は、債務の総額について住宅ローン以外の債務の合計が5,000万円以下であることを意味します。
将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがあり返済がきちんとできる
将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがあり返済がきちんとできることが要件となります。
小規模個人再生について定める民事再生法第221条は、「将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがあり」と規定しており、給与所得者等再生について定める第235条も第221条の要件を満たすことが前提となっています。
どの程度の収入があれば良いかについて、具体的な収入額の定めなどはありませんが、この要件はきちんと返済できることが前提となるので、毎月の返済ができる程度に将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みが必要です。
減額されて債務が100万円になる場合は、毎月約2万8千円の支払いができることが目安となります。
支払不能のおそれがある
支払不能のおそれがあることが必要です。
民事再生法第21条は、民事再生手続きが始まる要件として「債務者に破産手続開始の原因となる事実の生ずるおそれがあるとき」としています。
破産手続開始原因については破産法第15条で「債務者が支払不能にあるとき」としています。
この民事再生法と破産法をあわせると、支払不能になるおそれがるとき、個人再生が利用できる場合といえます。
支払不能については、破産法第2条11号で「債務者が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態(中略)のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態をいう」と規定されています。
難しい規定をしていますが、一時的に払えないという状態ではなく、この先しばらく返済ができなくなっている状態のことをいい、任意整理の支払いができない収支状況にあれば支払不能といえます。
債権者の同意がある(小規模個人再生)
個人再生のうち小規模個人再生の場合、債権者の過半数が反対しない場合でなければなりません。
この過半数は議決権者の過半数のみならず、議決権者の議決権の総額の1/2以上でなければなりません(民事再生法第172条の3)。
給与など定期的な収入を得る見込みがある者であって変動の幅が小さい(給与所得者等再生)
個人再生のうち給与所得者等再生の場合、給与など定期的な収入を得る見込みがある者であって変動の幅が小さい場合であることが必要です。
ここに「変動の幅が小さい」の目安としては20%程度であることが挙げられます。
給与所得者とありますが自営業でも要件を満たせば適用可能で、給与であっても営業職のように成果によって大きな幅がある場合には利用ができません。
個人再生以外の債務整理方法
債務整理には個人再生以外にも主なものとして任意整理・自己破産があります。
任意整理とは?個人再生との違いは
任意整理とは、債権者と交渉を行って借金を減額してもらう手続きのことをいいます。
個人再生や自己破産のように法律に基づく手続きではなく、交渉によって和解契約を結び、返済条件を楽にしてもらうものです。
個人再生とは毎月分割して返済する点で共通点はありますが、任意整理では債権者に借金の元金は返済する必要があり、返済しなければならない金額は多くなります。
また、任意整理は個々に交渉するものなので、債権者を自由に選ぶことができます。
そのため、保証人がついている債務は任意整理の対象から外すことも可能です。
自己破産とは?個人再生との違いは
自己破産とは、破産法に基づく債務整理手続きで、債務を免責してもらうものです。
自己破産は個人再生と同様に法律に基づく手続きで、裁判所に申立をして行う手続きです。
しかし、自己破産は債務を免責してもらえる点で、分割して支払う個人再生とは異なります。
債務整理をする際に個人再生がおすすめの人
債務整理をする際に個人再生がおすすめの人としては次の人が挙げられます。
住宅ローン以外の債務を減額すれば生活を送ることができる
住宅ローン以外の債務を減額すれば生活を送ることができる人は個人再生がおすすめです。
住宅ローン以外にも債務がある場合、住宅資金特別条項による個人再生をすれば、住宅ローン以外の債務の支払いが減ります。
その結果住宅ローンを今まで通り支払って、減額された債務を払っていけば生活を送ることができる状況なのであれば、個人再生が向いているでしょう。
たとえば、住宅ローンを毎月10万円・貸金業者への返済を毎月5万円していたのを、貸金業者への返済を2万円に減額できれば家計がなんとかなるという状況であれば、個人再生が向いているといえるでしょう。
警備員・保険外交員・宅建士として仕事をしていたりすぐに仕事をする予定がある
警備員・保険外交員・宅建士として今仕事をしている場合や、すぐにこれらの登録を受けて仕事をする予定がある場合には、個人再生が向いています。
任意整理では支払えないので自己破産をする場合、手続き期間中警備員・保険外交員・宅建士には資格制限があります。
現に警備員・保険外交員・宅建士として仕事をしている場合や、すぐにこれらの登録を受けて仕事をする予定がある場合、自己破産をすると職を失うことになりかねません。
そのため、個人再生によってこれらの仕事につけるようにするのが良いでしょう。
個人再生を利用すべきケースのほとんどがこの2つのパターンです。
個人再生がおすすめではない場合
一方で個人再生がおすすめではない人としては次の場合が挙げられます。
減額されても返済する余裕がない
減額されても返済する余裕がない場合には個人再生はおすすめできません。
個人再生は返済することが前提の手続きです。
そのため、収入がない、あっても非常に少なくて家計を賄うことができない状態であり、返済に回すためのお金がない場合には、個人再生が利用できません。
借金が少ないか収入が多いため支払不能のおそれがあるとはいえない
借金が少ないか収入が多いため、支払不能のおそれがあるとはいえない場合、個人再生はおすすめできません。
個人再生をするためには、支払不能のおそれがある場合に利用できるものです。
そのため、支払不能のおそれがない場合には、個人再生手続開始のための要件を満たさず、手続きを利用できません。
すでに住宅ローンが代位弁済をされてから6ヶ月以上経過している
すでに住宅ローンが代位弁済されてから6ヶ月以上経過している場合には、個人再生はおすすめしません。
住宅ローンの支払いが滞ると、保証会社が代位弁済することがあります。
住宅ローンの契約をする際に、住宅ローンの返済がされない場合に、その債務を保証する会社が金融機関に対して債務の弁済を実施します(代位弁済)。
これによって住宅ローン債権は代位弁済をした保証会社にうつることになり、以後は保証会社が債権の回収を行うことになります。
この代位弁済をしてから6ヶ月が経過すると、住宅資金特別条項の利用ができないとされています。
債務の全部・ほとんどが住宅ローン
債務の全部あるいはほとんどが住宅ローンである人には個人再生はおすすめできません。
個人再生で住宅資金特別条項を利用する場合、住宅ローンはそのまま返済し続ける必要があります。
債務が住宅ローンのみであったり、住宅ローン以外の債務がほとんどない場合、個人再生は向いていません。
債務が住宅ローンのみで、それが払いきれないというのは、家計に占める住宅ローンの割合が多すぎる場合であり、収入を増やすか住宅ローンよりも家賃が低いところや実家に引っ越すという対策が必要となる場合です。
不動産担保ローンの借入をしたこと
不動産担保ローンを使っている場合には、民事再生はおすすめできません。
不動産担保ローンとは、不動産を担保にお金を借りるものです。
住宅ローンをある程度支払うと、その不動産を担保にして不動産担保ローンを利用することができます。
たとえば、残債務が1,000万円で不動産が2,000万円だとすると、1,000万円分は担保に提供できる状態になります。
住宅資金特別条項による個人再生は、住宅ローンのみを対象とするので、不動産担保ローンがあり抵当権がある場合は対象となりません。
そのため、個人再生によって自宅を維持することはできないので、不動産担保ローンを利用している場合には個人再生はおすすめできません。
自己破産は嫌なので個人再生
任意整理での返済ができない場合には、自己破産によって債務整理を行うのが基本です。
しかし、自己破産についてはイメージが非常に悪いです。
そのため、自己破産だけはしたくない、という理由で任意整理が無理なのであれば個人再生をしたい、という方が非常に多いです。
しかし、個人再生では減額されるとはいえ、3年~最長で5年返済をつづける必要があるのに対して、自己破産は債務を免責してもらえ返済をする必要がありません。
自己破産による職業制限がある場合は別ですが、減額されるとはいえ返済しなければならない個人再生よりも、自己破産のほうが経済生活の再生が早くできるといえます。
個人再生を相談・依頼するのにおすすめのタイミング
個人再生を相談・依頼するのにおすすめのタイミングはいつなのでしょうか。
債務整理の相談は早ければ早いほうがいい
一般論として債務整理の相談は早ければ早いほうがいいです。
債務整理については、借金の額と返済能力のバランスによって、手続きを決めるのが基本です。
あまりにも借入額が多いような場合には自己破産しか手がないことも珍しくありません
そのため、なるべく早く相談することが望ましいといえます。
代位弁済をされている場合にはできるだけ早く依頼をする
住宅ローンの返済が遅れて代位弁済をされている場合にはできるだけ早く依頼するようにしましょう。
住宅ローンの返済が遅れて代位弁済された場合には6ヶ月以内でなければ住宅資金特別条項による個人再生ができません。
そして、民事再生の準備には少なくとも3ヶ月程度はかかるので、たとえば代位弁済から5ヶ月経過してやっと弁護士に依頼したというのでは、手送れとなります。
そのため、代位弁済をされている場合にはできるだけ早く依頼をするようにしましょう。
個人再生は弁護士・司法書士どちらがいいのか
個人再生をするにあたって、弁護士・司法書士いずれに相談・依頼するのが良いのでしょうか。
債務整理は国家資格者のうち弁護士・司法書士が行っています。
これは弁護士については弁護士法第74条、司法書士については司法書士法第3条の規定によって、業として行うことが認められているためです。
もっとも司法書士は、個人再生では裁判所への書類の提出しかできません(司法書士法第3条第4号)。
そのため裁判所では本人が申し立てた案件として取り扱われます。
裁判所によっては弁護士が申し立てた場合には再生委員はつかない場合がありますが、本人が申し立てをした場合には詳細な調査が必要になるとして、必ず再生委員がつくこととしている場合があります。
司法書士に依頼して再生委員が選任される場合、裁判所によって15万円~再生委員の報酬となる費用が必要となることがあります。
そのため、住んでいる地域によっては個人再生を司法書士に依頼すると余計にお金がかかって損をすることがあり、その場合司法書士よりも弁護士に依頼すべきことになります。
そのため、自分の住んでいる地域の弁護士に必ず一度相談することをおすすめします。
個人再生に関するよくあるQ&A
個人再生は生活再建を図るための重要な手続きですが、専門的な要素が多く注意点もあります。ここではよく寄せられる質問を整理しました。
個人再生の手続きは自分でできる?
弁護士に依頼せず自分で進めるのは現実的に困難で、認可に至らないリスクが高まるため、専門家のサポートを受けることが望ましいとされています。
日本弁護士連合会の「2020年破産事件及び個人再生事件記録調査」によると、申立てに必要な書類作成や裁判所対応は複雑で専門知識を要します。
個人再生中にやってはいけないことは?
虚偽の申告や書類未提出、再生計画案の期限遅延、履行テストの怠慢は不認可の原因となります。
さらに、新たな借入や浪費、特定の債権者だけへの返済(偏頗弁済)、収入減少につながる転職・退職、財産隠しや名義変更も禁止されています。
弁護士へも正確な情報を伝え、安定した収入を維持しながら誠実に手続きを進めることが、成功への鍵です。
個人再生の最低弁済額はいくら?
最低弁済額は法律で定められており、借金総額によって基準が異なります。
借金が100万円未満の場合は全額返済、100万円以上500万円以下なら100万円、500万円超~1500万円以下なら5分の1、1500万円超~3000万円以下なら300万円、3000万円超~5000万円以下は10分の1が最低弁済額です。
収入や資産状況に応じてこの額以上を返済する計画を立てる必要があります。
個人再生の成功率は?
司法統計によると、個人再生の成功率は90%を超えています。
成功率が高い一方で、手続きが終結しないケースも存在します。これには、再生計画の不認可、手続きの廃止、棄却、取下げなどが含まれます。
個人再生の失敗例としては、再生計画案の否決、再生計画不履行による取り消し、手続きの廃止などがあります。
まとめ
本記事では個人再生の相談におすすめの弁護士・司法書士について
個人再生・債務整理の相談はいくつもの事務所としてもかまいません。実績のあるこの5つの事務所の意見は必ず聞いておくことをおすすめします。